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2013 / 05 / 25  

紅茶の豆知識8

祁門(きーむん)は安徽省祁門県附近でつくられる紅茶。日本では「キーマン」「キームン」「キーモン」などとよばれる。3大紅茶のラストバッターとして登場です。

 

「キーマンは、発酵度が強く、キームン香と呼ばれるローズティのような甘い香りが特徴。キームン紅茶の標準を作り出しているのが1800年代から運営される祁門紅茶場。この工場の周辺にも生産会社はあるが、最高級の品質は祁門紅茶場で生産される。

尚、祁門紅茶場のお茶は1.特貢、 2.貢茶、3.礼茶、4.特茗、 5.特級、6.一級、7.二級、8.三級の8つのグレードにより構成される。

 

1と2のお茶は非常に高価ゆえに政府高官や国賓へのギフト用に使われることが多く、日本国内に流通するグレードとしては一般に4.特茗以下のグレードが多い。品質が上がるほど、味の濃度が増し、香りの余韻も強くなる。

 

福建省の「正山小種」(ラプサンスーチョン)を真似て作られたのが本紅茶の発祥と考えられている。1915年にパナマで開催された世界食品展で金賞を受賞ののち「世界の三大紅茶」(ダージリン・ウバ・祁門紅茶)と称されるようになるが、同時に複雑な製法を簡略化させた香りの悪い粗悪紅茶も増えてしまった。祁門のことをスモーキーフレーバーなどと形容されてしまうことが多いのは、この粗悪品の流通の弊害である。

尚、近年では安価なキームン紅茶は福建省武夷山の正山小種(ラプサンスーチョン)としても多く用いられており、それがキームン紅茶として流通した場合、非常に煙り臭い。

 

http://ja.wikipedia.org/wiki/祁門

 

季節・製法

春茶は4月中旬から下旬にかけて、一芯二葉または一芯三葉で摘む。手間をかけて丁寧につくられ、8月に出荷される。夏茶は特に評価が高く、ゆるやかに乾燥させるのが特徴。

茶葉は細く撚られたOP(オレンジペコ)タイプで、しっとりとしたツヤのある黒みを帯びている。キーマンは茶葉の大きさに関係なく、風味の違いが等級で表示されることがある。

 

香りと味

祁門香と呼ばれる蘭の花に似た香りは、東洋随一といわれるだけでなく、英国でも有名。香りは清らかで、長く持続する。

広く親しまれている普及品(スタンダード)は、スモーキーで濃厚な香りが特徴。

まろやかな甘みとコク、抑えられた渋みを持ち、中硬水でもその雰囲気を失わず、ヨーロッパでは「中国茶のブルゴーニュワイン」と称される。ミルクティーやアイスティーも個性的で、フルーツをたっぷり使ったパウンドケーキなどによく合う。

 

対して上級品(スペシャル)は生産量が少なく、一芯一葉で厳選して摘まれるなど、高価な茶葉として珍重されている。「祁門香」という蘭やバラのような優雅な香りに、黒蜜のような甘さと芳醇な味わいを持ち、バランスのとれた心地よい風味が楽しめる。とっておきのおもてなしに、ストレートで、繊細な味の和菓子などに合わせる。

 

異なったおいしさと方向性を持つ普及品と上級品の境界が曖昧なうえ、混同して説明されてしまうことが多いようだが、つまりは「ティータイムに合わせて茶葉を選べる、通好みの銘茶」といえる。

ケーキやクッキーなど。上級品には繊細な味の和菓子も合う。

 

◆キーマンは「中国茶のブルゴーニュ酒」

キーマン紅茶から漂う、蘭や薔薇の花のような香りに、ヨーロッパ人は、東洋的神秘を見出し、ダージリンを「紅茶のシャンパン」と呼ぶように、キーマンを「中国茶のブルゴーニュ酒」と呼んで珍重してきました。

 

ところが、このキーマン茶独特の、高貴なフレーバーが、近年の簡略化した製法によって香りの悪い粗悪品になると、スモーキーフレーバーを発するようになります。

蘭や薔薇の花の香りが、スモーキー(煙臭い)な香りになるのですから、やはり、製法は簡略化せずにしっかりと作ってもらいたいものです。

 

古来の複雑な製法によって作られた良質のキーマン茶であれば、キーマン紅茶の色、香り、風味を味わうために、ストレートティーで飲むのが適しています。

 

残念ながら、ウバもキーマンも、ら・さぼうるでは提供していませんのでダージリンで、世界3大紅茶の味を確かめてみてください。

 

カフェ ら・さぼうる