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コーヒーの豆知識25
ブルーマウンテン…言わずと知れた珈琲の王様です、特に日本では。
昭和50年前後のコーヒー黄金時代から、 コーヒーを愛する人達の憧れでした。誰でも、コーヒーの産地の中で一番美味しいものだと信じ、一度は飲んでみたいものだと憧れたのがブルーマウンテンだったのです。
ブルーマウンテンは、ご存知の通り、ジャマイカ産。ちょっとジャマイカを紹介しましょう。
ジャマイカ Jamaica
地域中南米
人口257万6千人
首都キングストン
言語英語
面積1万1千平方km
通貨ジャマイカ・ドル
コーヒー生産量(単位1000袋)37,000袋
備考国土は四国の約6割、1494年コロンブスが発見。
キューバの南にありカリブ海に浮かぶ島国ジャマイカは国土の80%が山地で、
その最高峰が標高2256mのブルーマウンテンで、全体的に亜熱帯海洋性気候です。
その島の東南部のブルーマウンテンの山麓で栽培されているのがブルーマウンテンで、
中部山岳地帯北斜面でハイマンテン、南斜面でプライムが生産されています。
ブルーマウンテンの生産量の90%が日本に輸出されています。
ブルーマウンテンは、フランスにより、カリブ海に浮かぶマルティニック島に持ち込まれたティピカ種が伝わったものです。カリブ海周辺の島々、国々のコーヒーは、すべてこのマルティニック島からのティピカ種が起源です。ですから、この時代のティピカ種を伝える産地では、評価が高いものが多いとのこと。
イギリス領だったジャマイカは、1728年に当時の総督ニコラス・ローズ卿によって、マルティニック島からジャマイカに持ち込まれ、キングストンの丘陵地帯(テンプル・ホール)に植えられたのがジャマイカコーヒーの始まりです。
コーヒー規格
等級は
標高800m~1500mのブルーマウンテン地区で生産されたブルーマウンテン
標高500m~1000mのハイマウンテン地区で生産されたハイマウンテン
標高300m~800mで上記以外で生産されたプライムウオッシュ
に分かれます。
グレードはNO1,NO2,NO3,NO4に分けられています。
1.ブルーマウンテン・エリアの気候
熱帯カリブの豊かな太陽の光と濃い霧や雨がもたらすブルーマウンテンエリアの気候は昼と夜では大きな温度差があります。
この温度差が時間をかけてゆっくりと美味しいコーヒー豆を育んでいるのです。
2.急斜面での栽培
ブルーマウンテンの急峻な斜面にコーヒー農園があります。
急峻な斜面での水はけは、コーヒーの木が育つのにちょうど適しています。
3.手作り・手作業
急斜面での栽培や収穫は、機械化が困難ですべて手作業で行われます。
ティピカ種は味や香りに優れていますが、病害・虫害に弱いため栽培には細心の注意が払われます。
また高品質維持のため、完熟した赤い実だけが一粒ずつ手で摘み取られます。
だから生産量が限られ、希少価値の高いコーヒーとされるのです。
くせのないバランスの取れたブルマンのテイストはまさに日本人好みです。
◇ブルマン樽の話
コーヒーの中でも、樽詰めで輸出されるのはブルマンだけで、ほかのコーヒーは麻袋詰めで輸出されます。
18世紀中頃から後のイギリスの植民地時代に、イギリスから船積みされた小麦粉などの空き樽を再利用し、コーヒーやラム酒などを入れて出荷したのが始まりといわれています。
ブルマン樽は、アメリカの温帯林の木材で、においがありません。
樽詰するメリットは、木が内外の湿気を吸収・放出することによって、大きな変化を与えず、また、輸送時などに発生する急激な温度変化を緩和します。
コストも手間も掛かりますが、樽は最高級コーヒーの品質を保持するための重要な役割を担っているのです。
詳 細
ブルーマウンテンコーヒーは、その希少価値(年間生産量1900t/2006年)からキングオブコーヒーと讃えられています。
美味しいコーヒーの三つの条件、香り、味、コクが完璧なまでにバランスの取れた上品な味わいのブルマンは、手仕事ならではの逸品です。
ブルーマウンテン・エリアはブルーマウンテン山脈の標高800~1,200mにあり、良質のコーヒーの栽培条件である「土壌」、「日中寒暖差」、「雨量」、「栽培高度」が見事に整っているエリアです。
・土壌は、海底の有機質を多く含む火山灰でブルマンの持つ甘味は土壌そのものが持つ甘味です。
・日中寒暖差は、平均6℃、冬場は10℃前後になり昼間は実が膨らみ、夜は引き締まる。これ繰り返す事で引き締まった大粒の豆が生まれます。
・雨量は、年間1500~1800mmとコーヒーの栽培に最適な雨量で、時折山脈全体を深い霧が覆う為樹木やコーヒーチェリーに適度な湿気を与え実を引き締め大粒にします。
・栽培高度は、高地のため低い産地に比べ実付きから完熟までの時間が長く良質なコーヒーが育ちます。
・コーヒーチェリーは高品質を維持する為完熟した赤い実だけを一粒ずつ丁寧に手摘されます。
「NO1の品質検査と規格」
・豆の大きさで一番大きいスクリーン17~19が「NO1」ランクです。
・欠点豆の混入率は、3%未満。
・水分含有量は、10~12.5%が合格。
・国家資格を持つ最低三人の検査官による「炒りあがり」、「香り」、「酸味」、
「コク」、「後味」、「雑実・異味」、の6項目の味覚鑑定に合格。
こうした厳しい検査で「NO1」の称号が得られるのはわずか3割程度にすぎません。
1953年ジャマイカ政府は法律によって、このエリアと他のエリアとの間にはっきり境界線を引くと同時に、ブルーマウンテンの名称は、ブルーマウンテン・エリア以外で生産されたコーヒーに使用してはならないと定めました。
従って、ブルーマウンテン地区に隣接する高地の農園でできた、品質がブルーマウンテンに匹敵するほどのコーヒーでも、ブルーマウンテンコーヒーの名で販売することはできません。
ストレートで飲んでも最もバランスが取れているコーヒーで、希少性も高く『NO1』は最高級品で世界的名品とされています。
引用元:
http://www.eynet.co.jp/02shopping/p2-2-8.htm
そんなブルーマウンテンですが、何度も書いているように、約80%以上が、日本に輸入されているんです。
つまり、ブルーマウンテンは世界的にはメジャーなコーヒーではないのですね。
ではなぜ、世界一のコーヒー神話ができたのか?
初めて日本に入荷されたのは昭和12年ごろ、高額な取引だったため、早く元を取りたい!
量はわずかでしたが、高い値段で売るべく考え付いたのが、
「英国王室御用達」のキャッチフレーズ!
当時ジャマイカは英領だったので、当然英国にコーヒーが渡り、
王様か女王様が好んで飲んでいるのではないかと、勝手な創造をしたそうです。
その後、この宣伝文句は大当たりして、日本では高級で最高品質のコーヒー豆といえば、ブルーマウンテンという神話が出来上がったのです。
実際、バランスが取れていて美味しいのは間違いないので、コーヒーの王様と呼ぶのに何ら抵抗はありません。
ただし、これも偽物にはご用心。聞くところによれば、ジャマイカで生産されるブルーマウンテンの3倍量の「ブルーマウンテン」が日本には流通しているとのことですから。
カフェ ら・さぼうる